オンラインマガジン 2015年6月 Vol.499

2015年6月 Vol.499

川口商工会議所 会員情報誌『move(むうぶ)』から一部を掲載しています。

特集

経営革新計画で事業をブラッシュアップしよう

―詳細はこちらからご覧くださいP6~7―

株式会社ユニパック

省エネ大賞・中小企業庁長官賞 受賞 空調フィルタ業界に旋風を巻き起こす

代表取締役 松江 昭彦 氏
川口市西川口3-12-5
TEL:048-258-6991
http://www.unipac.co.jp/

常識を覆すものづくり

 西川口に本社を置く㈱ユニパック。社員15人という中小企業が偉業を成し遂げている。同社が開発した「洗浄再生・低圧損フィルタ」は、電力やメンテナンス労力の削減など、省エネに大きな効果があると評価され、「省エネ大賞・中小企業庁長官賞」をはじめ、2年のうちに6個の賞を受賞している。その開発秘話について、同社の松江社長にお話を伺った。
 「従来の空調フィルタは、プレフィルタと中性能フィルタの2層からなり、プレフィルタは年4回の洗浄が必要で、中性能フィルタについても年1回の交換・廃棄が必要でした。当社が開発した「薫風」は、プレフィルタの素材を改良し、アコーディオンのように折込むことで従来の20倍の表面積を確保(洗浄が年1回に削減)。また、洗浄に適したメインフィルタにすることで、1年使い捨ての物が4年毎の交換ですむようになりました。このプレ・メイン一体型のフィルタは、空気抵抗(圧力損失)が半減し、
空気搬送に係る電力も削減できます。このように、“使い捨ては当たり前”という常識を覆すことで、労力・経費・電力の削減につながるフィルタができあがったのです」

東京ミッドタウンに納入 社運をかけた大チャレンジ

 同社の設立は1990年。35歳の時に起業した松江氏、当時は空調の保守メンテナンスをし、月2000枚ものフィルタの洗浄を請け負っていたという。
 「毎月、膨大な量のフィルタを取外し、洗浄し、また取付ける、という作業の中で、“何でこんなことを繰り返しやっているのだろう”と思っていました。どうにかこの作業を簡略化しコストを削減できないのか、考え始めたのです」
 チャンスは突然やってくる。地道な営業活動をしている中で、ふと飛び込んできたのが、東京ミッドタウンの空調フィルタの導入の話だった。
 「三井不動産の担当者から電話が来た時は驚きましたね。東京ミッドタウンは、省エネ・環境配慮を重要なテーマとしていたので、新しい省エネの手法ではないかとチャンスをいただいたのです。そこから2年余り、フィルタメーカー・洗浄会社と協力し試作を続け、2006年12月、4000個の『薫風』を納入したのです」
 現在、三井住友銀行本店、日本橋三越本店、大宮ソニックシティなど名だたるビルに使用され、今秋には国内主要空港への導入も決まっている。

SAITEC、産学研究をフル活用 鳩ヶ谷庁舎での検証でも省エネが明らかに

 地道な検証を積み重ねていくことで、より精度の増した確かな商品が生まれていく。松江氏は製品開発において、SAITEC(埼玉県産業技術総合センター)を活用、鹿児島大学や日本大学との産学連携による実地検証も行っている。
 「SAITECには何度も行きました。データ解析も安いですし、市内にあるので活用しない手はない。最近では、鹿児島大の研究チームと連携し、火山灰に適したフィルタ『南風』も発売しました。また、市の鳩ヶ谷庁舎にも導入し、空気搬送動力の18.5%削減、庁舎全体の電気料では3%の削減につながったとのこと。仕事で地域に貢献できることは嬉しいですね」と松江氏は語る。
 松江氏のもとには、新たな共同開発の話が次々と来ているという。慣習にとらわれない、ものづくりに対する果敢な挑戦が、企業を光らせる。


20倍の面積になり、1年間清掃が不要。プレ・メインを同時に洗浄再生する一体化が可能となった。

鳩ヶ谷庁舎での節電が評価され、優良省エネルギー設備顕彰で川口市と共に優秀賞を受賞

松江社長(右)、川口市職員(左)

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