オンラインマガジン 2013年1月 Vol.470

2013年1月 Vol.470

川口商工会議所 会員情報誌『move(むうぶ)』から一部を掲載しています。

市制施行80周年ー川口の未来像を語るー

産業とともに発展してきた川口。

都市環境や産業構造が大きく変わる中においても、
“ものづくりのまち・川口”は、我々の中で大きな存在感を持っている。

市制80周年、川口が歩んできた歴史を一つの礎とし、
新たなまちづくりに期待が寄せられる。

理想とする未来の川口はどんなまちか、そのためには何が必要なのか。

行政の視点から、企業経営者の視点から、川口の未来像について語っていただいた。

-詳細はこちらからご覧くださいP3~P9-

富和鋳造株式会社

鋳造一筋にかけた 熱い想い
―後進の育成が「鋳物のまち・川口」をつなぐ―

  代表取締役社長 飛高 利美 氏

川口市本町1-19-1
TEL:048-222-3788

がむしゃらに勉強した下積み時代

 当社は昭和21年に創業し、上下水道のバルブの製造を主とし、プレス機械、油圧機械など産業用機械の鋳造をしています。
 私が入社したのは昭和33年。家業である鋳物屋を継ぐために川口工業高校に進学し、卒業後は会社の寮に入り生活をしていました。当時は社員の半数以上が20代以下の若者ばかり、中卒でも高卒でも年齢・学歴は関係なく、腕の良さと経験が全てでした。私は社長が親ですから、特別な目で見られていたのは分かっていたので、「家族の者だから…」と言われまい、絶対に人には負けまいと、みんなが遊んでいる時に鋳物関係の資料をめくり、人の倍、勉強し現場でも進んで仕事をしました。どんなに辛い肉体労働も仕事と思えば耐えられましたが、社員寮の雰囲気は何とも言い難かったですね…今では思い出の一つですが(笑)

転機はキューポラを電気炉に変えた時

 会社の転機となったのは、やはりキューポラから電気炉に移行した時でしょうか。ダクタイル鋳鉄の需要が高まり、安定した品質を保つためには電気炉が必要でした。しかし、巨大なバルブを製造する当社にとって、電気炉の最大のデメリットは一回で溶かせる金属量が限られることでした。キューポラはある程度連続して溶かせますが、電気炉1基で1時間に溶かせるのは3~4t。効率よく作業を進めるのに必要なのが、ノウハウですね。私は経営者というより、ずっと技術者側の人間でしたから、何よりそういう難しい仕事とか逆境に、社員のだれよりも燃えました。中でも、22tもある製品をつくった時は、材料を溶かしては取鍋に出湯して保温して、24tの溶湯を16時間かけ吹きをした時もありました。

「ほこ×たて」エピソード

 フジテレビの「ほこ×たて」という番組からオファーが来て、大型の鉄球をつくることになりましたが、テレビ局からの要求は、完全なる球体で吊り上げる部分の設計はありませんでした。吊っても転がしても最大の破壊力が伝わるように、設計には大変苦労しました。あの鉄球が単なる鉄の塊だと思っている人もいますが、鉄球の内部で鉄が冷えて固まった時に中心が空洞化しないように、鋳込みには神経を注ぎましたね。
 現在3戦3勝。本誌が発行されるころには、元旦の対決も放映され結果も出ていますが、4戦目も必ず勝つと確信し、社を挙げて吉田工場長の応援にいきます。お互い、極めた技術と技術のぶつかり合いで、勝つのは時の運。このような勝負ができることは大変光栄です。

後進を育てていくのは“使命”

 当社には一級鋳造技能士が15人います。当社は資格の取得や勉強会を積極的に行っていますが、後進を育てていくことが、川口で鋳物屋をしている私の使命だと感じています。
 そして、鋳造製品は環境に優しいことをもっと社会に理解してほしいです。現場は3Kと呼ばれるような大変な仕事ですが、できあがった鋳物製品は、複雑な形状も美しく仕上がり、品質にも優れ、溶かせば再利用できる素材です。この利点に着目しさらなる技術革新をしていけば、付加価値を上げ需要を高めることができます。当社も川口で100年企業を目指し、まい進していきたいと思っています。


「ほこ×たて」で使用した鉄球
 飛高社長(左)と吉田工場長(右)

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【特集】
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