オンラインマガジン 2018年12月 Vol.541

2018年12月 Vol.541

川口商工会議所 会員情報誌『move(むうぶ)』から一部を掲載しています。

特集

経営の道しるべ 新たな取り組みを具現化して利益アップ

Let’s! 経営革新!!

詳細はこちらからご覧くださいP4~5

今月の表紙

株式会社インターパック

想いを、見せる。

代表取締役 古鎌 昭博さん
川口市上青木西1-13-28
TEL:048-255-8040
http://inter-pack.com/
工場に入らずとも聞こえてきたのは、リズミカルな機械の音だった。
カシャン・シュー・カシャン・シュー・・・。

小気味のよいその歌声の主は、完成間近の新製品。
鋭い眼光で試運転を見守るベテラン工員のすぐそばには、
さらに鋭い眼光で彼の仕事を見つめる若手社員の姿があった。

株式会社インターパックは、来年、設立50年を迎える
自動包装機械の専門メーカーだ。
ここでいう「包装」とは、生産工程の最終段階にあたる個別包装や
段ボールでの集積包装(箱詰め)を意味している。
同社は、顧客の要望に応じた包装機械を
一品一様で創り上げているのだが、
特筆すべきは、“包む”対象となる製品の幅の広さだろう。
即席麺などの食品類からティッシュペーパーなどの日用品。
また、工業製品、化学製品、建材といったジャンルも手がけ、
汎用性の高いその技術力は、
国内外の著名なメーカーからも
厚い信頼が寄せられている。

「弊社の原点は、昭和5(1930)年に愛媛で生まれたみかん選別機
(出荷用のみかんを選別して木箱に詰める機械)の製作所でした。
ケースの主流が木箱から段ボールへと移ろいゆく中で、拠点を変え、
形を変え、お客さまのニーズに応じたあらゆる包装機械を創るように
なったのですが、苦難を多分に含むそうした経験のひとつひとつが、
現在の技術力やノウハウにつながる源泉になっていると思います」

スピード。

古鎌昭博代表のお話を聞くと、インターパックの仕事のすべてに、
このキーワードが必ず出てきた。
まずは、顧客優先のスピード対応。どんなときでも即断即決で、
“お客さまを待たせない”ことを重要なモットーのひとつとしている。
また、何よりも同社の製品、包装機械の特長だ。国内最速クラスの
スピードを誇るとともに、設置後の立ち上がりが格段に早い。
それは、すなわち、生産性の維持・向上につながるわけで、なるほど、
顧客の製造現場で歓迎されるのもよくわかる。

「どんなに難しいオーダーであっても、社員みんなで知恵を絞って、
必ず完成にこぎつけてきた。この絆もまた私たちの技術の源泉であると
自負しています。人材育成のために、ベテランと若手が組むことが
多いんですけどね、その関係性は、師弟というより、親子に
近いんじゃないんでしょうか」

工場内、ベテラン工員の仕事を見つめる若い社員の後ろ姿は、
父に対する尊敬の念を言葉なくして物語っていた。しかし、同時に、
いつかは超えんと静かに燃える熱き闘志もにじませている。

古鎌氏曰く、
「ウチはみんなファミリーですから」。
インターパック発展の礎(いしずえ)は、これまでも、
これからも、このひと言に集約されそうだ。

川口i-monoブランドに認定されたインターパックの自動包装機械

 

株式会社公電テクノ

防災教材とひとつになった世界初の小さな袋
ポケットに入る「べんり袋」

商品開発部 取締役 古内 衣枝 氏
川口市元郷5-20-9
TEL:048-226-3601
営業時間:9:00~17:00
定休日:土・日・祝日

 今回は、電気設備工事業を営みながら、様々な商品を開発する株式会社公電テクノを紹介する。

◆23の特許を持つ

2004年に設立した同社の事業は、大きく2つに分かれる。電気工事部は、主に官公庁発注の電気設備工事を施工している。設立以来、安全第一で一つ一つの仕事を丁寧に取り組む真摯な姿勢により、顧客からの信頼を着実に積み上げてきた。一方、商品開発部は、特許権・実用新案権等に関する商品の製造・販売を行っている。取締役を務める古内衣枝氏は一般社団法人婦人発明家協会に籍を置く“発明家”で、これまでに取得した特許は23件に及ぶ。衣枝氏が考案した商品には、災害関係のものが多い。このことは、これまで日本で起きたいくつかの大きな災害が影響している。

◆災害への意識と製品開発

1912年関東大震災 大正時代の大震災を経験した両親から、当時の凄惨な状況とともに、災害時の心がけや防災用品の準備を教えられて育った。また、生まれ育った東京の下町は道幅が狭く、消防車が通り抜けるのもままならないため、町内会で頻繁に消防訓練があった。衣枝氏の災害に対する意識は幼少のころから培われていった。
1995年阪神・淡路大震災 阪神地区を襲った大震災は、親族の命を奪っていった。この頃から、防災用品は身近に置くのではなく身に付けていられるものとの思いを抱き、ポケットサイズの「べんり袋」を開発するに至った。
2011年東日本大震災 「べんり袋」は、協会のコンクールで特賞を受賞した。東日本大震災はその受賞の10日後のことだった。支援のため被災地を訪れた際、あまりにも悲惨な状況に衝撃を受けた。生涯現役で防災の役に立ちたいと強く思い、「べんり袋」の製品化に取り組んだ。

◆「べんり袋」 支援を受け生産体制を確立

特許・ねじり剛性構造による「べんり袋」は、試行錯誤の末に考案した自信作だ。以前参加した消防訓練で、消防士から「ビニール袋は非常持ち出し袋の中に入れておくとよいが、カドやシール部分から破裂するので過信しないように」と話があり、カドがなく水漏れしない袋を作り出したいと思い立ったことがきっかけだった。災害時に最低限欲しい機能である①酸素の確保、②水の確保、③汚物処理に役立つという3つの機能を備えている。しかし、いざ生産するにあたり大きな問題があった。「特許である『ねじれ剛性構造』を作り出せる機械がなかったのです。メーカーに相談したところ、専用機を作るしかないとの答えでした。高額になりますが、防災の役に立ちたいという強い思いから導入を決意し、生産体制を確立しました」と衣枝氏は話す。導入には、商工会議所の支援により、ものづくり補助金の採択を受け活用した。

◆防災教育は子どもから

「べんり袋」は、特に子どもたちにこそ防災について意識してもらいたいと、NHK Eテレで放映中の人気教育アニメ「はなかっぱ」とタイアップしている。「本体と外袋にキャラクターを印刷して、子どもに親しみを持ってもらえるようにしました。また、『防災教育動画・稲むらの火※』を15ヶ国語に翻訳し、外袋にQRコードを印刷しました。グッズと教本が一体となった世界初の防災商品です」と胸を張る。「はなかっぱの原作者であるあきやまただし先生が、べんり袋のために書き下ろしてくださった防災に関する4コママンガも綴じ込んでいます。防災の話は小さなお子さんだと怖がってしまい切り出しにくいものですが、マンガをきっかけに親子で防災の話をしてもらえるのではと考えました」。小さな災害用袋に、衣枝氏のアイディアと思いやりが詰まっている。「バッグやランドセルに入るべんり袋と一緒に、“防災意識”もいつも携帯していただきたいと思います」と話す衣枝氏の、防災に対する情熱は高まるばかりだ。

※稲むらの火:原作は小泉八雲の短編小説「生き神様」。1854年に発生した安政南海地震の際、濱口梧陵の機知により稲むらに火を付けて誘導し、村民を津波から守ったという実話に基づく。

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