オンラインマガジン 2018年11月 Vol.540

2018年11月 Vol.540

川口商工会議所 会員情報誌『move(むうぶ)』から一部を掲載しています。

特集

2019年10月からスタート!

消費税率引き上げ&軽減税率制度 準備は進んでいますか?

詳細はこちらからご覧くださいP4~5

今月の表紙

有限会社埼玉プレーナー工業所

進める、新たな一歩。

代表取締役 鈴木 健晃さん【2代目】
専務取締役 鈴木 憲一郎さん【3代目】
川口市青木3-2-31
TEL:048-251-5838
http://blog.planers.co.jp/
技術というのは、ある日、突然、ポコンと生まれるものではない。
多くの場合が、長い年月をかけ、汗も涙も枯れ果てるほどに
繰り返された挑戦と挫折の末に見出される。
この終わりのない営みに果敢に挑み続ける者たちを、
私たちは職人と呼ぶ。
埼玉プレーナー工業所には、まさしく、そのような職人の親子が紡いだ、
ものづくりの粋(すい)が息づいていた。

川口市役所のほど近く、
植木と塀で少し身を隠すように佇む同社の創業は、1961年のこと。
金属加工屋として、鋳物の仕上げに端を発し、
産業の発展につれ、扱う素材や技術の幅が徐々に増えていったというのであるが、
「親父がこの会社を立ち上げたころは、まだ貧しい時代でね。
僕は子どもの時分から手伝いをさせられ、『嫌だなぁ』と思うこともしょっちゅうでしたよ」
と、2代目代表の鈴木健晃氏。
笑いながら当時を振り返る。

しかし、この父との日々が健晃氏の中に類(たぐい)まれなる
感性を育(はぐく)むこととなっていく。

鉄と会話ができる男。

周囲の者は、口をそろえて、健晃氏をこう表現する。
というのも、氏は、どんなに扱いが難しい金属であっても、
圧倒的な精度の高さで加工を実現するそうだ。
もちろん、その都度その都度、悩みや苦しみは伴うのだが、1mm以下の
わずかな誤差も、見れば、すぐにわかるらしい。
“絶対精度”とさえ謳われる同社の切削技術は、昨年度、
「伝統が育んだいいわざ」として、
川口i-wazaブランドにもその名を連ねることとなった。

こうして、父が築いた土壌をベースに息子が花を咲かせる形で成長を
遂げてきた埼玉プレーナー工業所であるが、実は、ここに、もうひとり、
欠かすことのできない人物がいる。
それは、現在、専務取締役を務める健晃氏の息子、憲一郎氏。
憲一郎氏はデジタル技術に精通しており、インターネットを活用した
営業活動で同社の顧客を全国にまで押し広めることに成功した。

「父や祖父のような職人としての経験や感覚を受け継ぎつつ、
父や祖父とは異なる特技を、より突き詰められるよう努めています。
そして、2人が築き上げてきた会社を守り、
いっそう高みを目指したい。
それをデジタル技術で体現することが、今の私の目標なんです」

憲一郎氏にとり、父や祖父は、
真似ができない“すごい職人”たちであり、
父と祖父にとっては、憲一郎氏が“自慢の3代目”である。

社名にもある「プレーナー」とは、いわば“カンナがけ”のような加工。金属などの表面を平行・平面にする切削技術の一種で、埼玉プレーナー工業所では、一般的に加工が可能とされている厚みよりはるかに薄い2mm程度の薄肉材(金属の薄い板)まで加工が可能となっている。

 

工場は、創業者・鈴木義生氏が建てた木造建築をベースに、健晃氏が増築した鉄骨部分が重なるようになってできている。その独特の佇まいは、同社の“今”と“歴史”をまるで物語っているかのよう。なお、義生氏は、会長職にあり、100歳を超えた現在もなお、ときどき現場に足を運んでいるそうだ。

 

株式会社ドルチェメンテ

素材・技法にこだわり抜いた
地域に愛される洋菓子専門店

代表取締役 石田 英寛 氏
川口市領家3-13-11
TEL:048-229-3456
営業時間:10:00~19:00
定休日:火

 今号は、音楽用語で「やさしく歌う・弾く」を意味する”dolcemente(ドルチェメンテ)”の店名のとおり、やさしい気持ちでやさしい味のお菓子を提供する石田 英寛社長に話を伺った。

◆様々な経験を積み重ねて開業

 18歳で調理師学校を卒業した当時はまだ製菓ブームとはいえず、当初はフランス料理店やホテルに勤めてお菓子づくりの腕を磨いた。その後、製菓機械のメーカーに勤務することになり、デモンストレーターとして展示会や企業に出向いてお菓子づくりの実演を行っていた。そのような様々な経験を経て、2011年、石田社長が生まれ育った川口に同店をオープンした。

◆「日本で初めて、世界で初めてを作りたい」

 機械メーカーに勤務した経験は、現在のお菓子づくりに大いに活かされている。こだわりの製造機械によって作られる自家製のアーモンドパウダーは、お菓子に合わせてアーモンドの品種や挽き方も変えている。石のローラーですりつぶし、素材の香りを存分に引き立たせた同店オリジナルの材料で、既製品では出せない風味を生み出している。このアーモンドパウダーで作られたマドレーヌやフィナンシェは、毎朝焼いたまま袋に入れずに販売しているので、アーモンドの風味と合わせてサクサクした触感が楽しめる人気の逸品だ。また、マカロンは季節によって種類を変え、常時15種類を用意している。ここまでの品揃えは珍しく、ホワイトデーがある3月は男性が列をなし、一か月間でなんと6,000個も売れるというから驚きだ。石田社長は「お客様にとっての“こういったものがあるといいね”をいつも考えています。そのために、誰も作ったことがない、誰にも真似の出来ないものを追い求めています」と話す。

◆日本のお菓子の味を世界に広める

 同社は、製造販売と合わせてコンサルタント業も行っている。ダスキングループが運営し全国展開しているシフォンケーキ専門店「シフォンアンドスプーン」のケーキは、石田社長がレシピの監修をしている。また、中国・韓国・台湾・マレーシア・シンガポール等の海外出張も多い。「食材メーカーとのレシピ開発や店舗のコンサルティングで呼ばれています。東南アジアの人たちは味覚が日本人と近いので、日本のお菓子が好きなんです」と石田社長は話す。お菓子の本場といえばフランスやイタリア等ヨーロッパと考えるのが一般的だが、日本のお菓子の方が好みに合っているというのは面白い。

◆業界の発展 後進の育成

 石田社長は一般社団法人埼玉県洋菓子協会の常務理事を務め、業界の発展や活性化にも尽力している。協会で実施している技術コンクール等には積極的にスタッフを参加させていて、「当社のスタッフが最優秀賞を受賞したこともあり、本人の自信に繋がっています」という。また、週に一回、都内の製菓学校の講師を務めていて、同店にいる6人のスタッフは、実は全員石田社長の教え子だ。「スタッフには、指示待ちではなく自分で考えて動くように伝えています。そのため、多少のミスは怒らないようにしています。この業界で長く働いていけるよう、しっかりと教えています」と、後進の育成も熱心だ。
 「オープン以来、地域の様々な方の協力に支えてもらいました」と石田社長はいう。素晴らしいスタッフと共に、こだわりのお菓子、地域に愛されるお店をこれからも作り出していく。

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