2018年10月 Vol.539
川口商工会議所 会員情報誌『move(むうぶ)』から一部を掲載しています。
内容はこちらからご覧ください。(P4~5, PDFデータ)
今月の表紙:株式会社大勇フリーズ
代表取締役 大久保 太陽さん
今月の表紙
株式会社大勇フリーズ
いろんなところで使える、メリット。
代表取締役 大久保 太陽さん
川口市木曽呂7-1
TEL:048-290-5611
http://www.daiyufreeze.co.jp
株式会社大勇フリーズは、いわゆる水道事業者である。
管工事に役立つさまざまな技術や製品を開発、および提供しており、35年の長きにわたって、工事関係者や水道利用者の安心と安全を支えてきた。
そんな同社の2代目代表、大久保太陽氏が開発に10年を費やしたというある製品が、今、全国の専門家たちに、ひときわ歓迎されている。
業界内で“画期的”とまで謳われている、その製品の名前は「DOWT(ダウト)」。
Daiyu Original Warming Technologyの頭文字を取って命名された、言葉の通りの水道管を“温める(Warming)”ための装置である。
水道を使う立場の人間にとり、工事に伴う最大の懸念は、やはり断水ではなかろうか。
一般家庭もさることながら、医療機関や飲食店などは、水が止まれば、大げさではなく、“致命的”になりかねない。
そこで、水道工事には、断水せずに作業ができる<不断水工法という技術がある。
DOWTが本領を発揮するのは、まさしく、ここだ。
不断水工法の一種である凍結工法で、これまでにない画期的な手法を可能にしたのである。
「凍結工法とは、作業箇所の前後を凍結させて止水する方法。
イメージ的には部分麻酔のようなもので、水道管に氷の栓をするため、アイスバルブとも呼ばれています。
DOWTは、作業終了後に氷の栓を解凍するため、温める機能に優れた装置です」
大久保氏によると、これまでの解凍作業はガスバーナーによる火炎を使った手法が主流であったという。しかし、地中に埋まっている管は、水道管だけとは限らない。ガス管や電源配線(ケーブル)が隣接している場合も非常に多く、火気の使用を躊躇(ちゅうちょ)する場面も少なくはないそうだ。
「DOWTは、安全面での担保だけではなく、火炎よりも早く解凍できるという効率性も備えています。また、通常の工事はもちろんですが、被災地などでの復旧工事にもお役に立てるようにしていきたい。
川口市や埼玉県はもちろんなんですが、日本全国の水道事業の発展に貢献するというのが、僕たちの目標であり、使命であると思っています」
もっとも重要なライフラインといっても過言ではない水道事業。
その多くは地中にあるため、なかなか意識しづらいであろうが、それでもときどき思い出してみてほしい。私たちの安心安全のために、たくさんの技術が産み出されていることを。
そして、我らが川口の企業がその一翼を担っていることを。
完成からわずか2年。
DOWTは、今、全国の水道工事の現場で重宝されている。
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IHクッキングヒーターから開発のヒントを得たというDOWT。
昨年度は、機械装置・付帯部品分野で川口i-monoブランドにも認定された。
株式会社ささき商事
業界のイメージ向上を目指す、
麻雀用具のスーパーディーラー
代表取締役 佐々木 覚 氏
川口市青木5-16-19
TEL:048-251-8141
営業時間:9:30~17:00
定休日:日・祝日
https://www.sasaki-mj.co.jp/
市内の麻雀店は最盛期に150軒ほどあったが、現在は10軒ほどになっている。ライフスタイルが変わり、高度成長期の頃のように仕事帰りのサラリーマンが卓を囲んでいるという風景は少なくなっている。
一方、麻雀は高齢者の脳の活性化や、認知症の治療などにも効果が実証され、家族や仲間で楽しむ明るく知的なゲームとして見直されつつある。また、本年10月からは麻雀のプロリーグ「Mリーグ」がスタートする等、業界のイメージが大きく変わってきている。
今回は、創業以来、一貫して麻雀用品の専門商社として営業してきた㈱ささき商事 佐々木 覚社長に話を伺った。
◆麻雀店のトータルプランナーとして
佐々木社長が卒業後に最初に勤めたのはアパレルメーカーだった。営業や製造現場、研究所と様々な業務を経験していったが、次第に、製造工場のように大きい仕事でなく、小さな仕事を自分の目でしっかり見定めて、自分の手でしっかりと成長させたいと思うようになった。元々、会社を興して一旗揚げたいと考えていたため、全く畑違いの業界だったが、1971年に麻雀用品の販売をスタートした。麻雀店を始め、ホテル、旅館、ゴルフ場や一般家庭にまで、多くの顧客に商品を納めてきた。現在では、許可申請から店内レイアウト、設計・施工、用具の設置、経営相談に至るまで、トータルでサポートできる体制を確立している。
◆普段は麻雀を・・・
実は、社長自身、学生時代に教わった程度で、普段は麻雀をまったくやらないのだという。「かえって、先入観に捉われずに、商材として冷静に見ることが出来たのだと思います。あとは、納品先のお店から人数合わせで声がかかると断れませんよね。本業がおぼつかなくなると思ったので、一切打たないことに決めたんです」
創業してしばらくは、売上が伸びずに苦労した。当時、麻雀店は夕方から開けるところが多く、営業活動は夜間が中心だった。日中は仕事にならないため、浦和の市場で台車をひいて荷物を運ぶ仕事をしていたこともある。「市場が閉まる昼から麻雀店が開く夕方まで寝てという生活で、目いっぱい働きました。体はしんどかったですが、飛び込みで名刺を配って回って、頑張れば仕事がもらえる時代でした」と社長は懐かしむ。「でも、今はそうではありません。様々な情報があふれる時代、ホームページやSNSを活用して、いかに商品を知ってもらうかが大事です。若い社員たちが頑張ってくれています」と話す。
◆健康麻雀でお年寄りを元気に
同社では現在、新しいプロジェクトを進めている。
「麻雀業界では30年ほど前から、“飲まない 賭けない 吸わない”という健康麻雀を普及していて、私もこの活動に賛同しています。この活動をさらに推進するため、60歳以上の方で全くの初心者を対象とした麻雀教室を開きたいと考えています。人がずっと元気でいるためには、交流することと、何より楽しむことが一番大事で、麻雀はうってつけです。麻雀を覚えたお年寄りが元気に過ごし、地域も元気になってもらいたいというのが私の目標です。会場は公民館のような誰でも訪れやすい開かれた場所が良いと思っています。麻雀用品はすぐに用意出来ますが、先生がいないといけませんから、現在、先生を育成するDVDを作成しています。雇用創出にも繋がります。ゆくゆくは、モデルケースとして川口から全国の地域に発信していきたいのです」と話す。
◆麻雀を通じた地域貢献を
「本年5月に完成した新社屋の3階フロアを、28台の全自動卓が設置できる麻雀専用仕様にしました。健康麻雀が広まって教室の参加者が増えれば、平日はこちらでも教室を開催し、休日は大会やプロと一緒にプレイ出来るイベントを開催します。運営は健康麻雀を普及するためのNPO法人を設立して、そちらに任せようと思っています。麻雀が健康増進に繋がると、行政で助成金を出しているところもあります。多方面に連携をお願いしながら、この事業を進め、地域に貢献していきたいです」と、社長はさらなる目標を語る。
10月に開催される川口市市産品フェアにも出展する。「麻雀にもっと良いイメージを持ってもらえるよう、地元・川口でPRしていきます。これからも麻雀を健全な大衆娯楽として育て、多くのファンの拡大に努め、麻雀を通じて社会に貢献できる会社を目指していきます」
業界に良い風は吹いている。攻めの一打から、同社の新たな局面が始まる。
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