2018年7月 Vol.536
川口商工会議所 会員情報誌『move(むうぶ)』から一部を掲載しています。
内容はこちらからご覧ください。(P4~5, PDFデータ)
今月の表紙:株式会社其田
代表取締役 其田 卓三さん
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特集
10年目を迎えるi-mono・i-wazaブランド認定制度
~認定企業の魅力と強み~その他の掲載記事
【読み物】
- 法律あれこれ
仮想通貨に係る所得税について
【シリーズ】
- 言葉の力
- 読者プレゼントクロスワードパズル
- 法律あれこれ
今月の表紙
株式会社其田
技術の継承、攻める姿勢。
代表取締役 其田 卓三さん
川口市大字安行原203-1
TEL:048-290-1587
https://freuntek.co.jp/
日本古来の工芸のひとつに「指物(さしもの)」と呼ばれる木工がある。
釘(くぎ)を使わずに、「ホゾ」と呼ばれる凸凹のみで組み立てられたその造りは、見るからに麗(うるわ)しく、また、“一生モノ”と謳われるほどに大変堅牢であるという。
株式会社其田とは、この伝統的な職人の技が礎(いしずえ)にある会社といえよう。
木製の特注家具や店舗什器を手がける同社には、国家資格である一級技能士が4名も籍を置いている。
代表を務める其田卓三氏もまた、いわずもがな指物師。
約40年ものキャリアを誇る、ベテランの職人だ。
「今年はちょうど創業30年の節目の年にあたるのですが、この30年間、木製家具を取り巻く環境は、大きく変わってきたと思います。私たちも、時代に合わせて、柔軟に対応するよう努めていますが、それでも絶対に変えたくないもの、守り継ぎたい技法がある。
それが、指物の要である『ホゾ組み構造』なんですね」
家具に“一生モノ”を求めることが少なくなった昨今において、ホゾ組み構造の木製家具や、それを造れる技術というのは、極めて貴重な存在となっている。
それゆえ、外面的な美しさに加え、耐久性や機能面にも優れた其田の家具には、国内外の名立たる企業が熱い視線を注ぐのだ。
近年は、有名ブランドのショーケースやモデルルームのインテリアとしても広く重宝されているため、もしかしたら、読者の方々も、一度は目にしているかもしれない。
指物師の伝統的な技術を重んじる一方、其田氏はまた、最新鋭のデジタル機器の導入にも積極的であった。
「たしかに、私たちの原点はノミやカンナを使った手加工です。
でも、今の時代は職人といえども、いや、職人だからこそ、デジタル工作機を使いこなせた方が良い製品ができると思うんです」
氏いわく、工作機械は時間と労力を大幅に軽減してくれる。
しかし、その仕事は、必ずしも完璧にはなり得ないのであるという。
「木は、素材の特性上、どうしても歪みが生じます。
それを察知し、微調整する。
最後は、やはり、人の手なんですね。
つまりは、職人の技能があるからこそ、工作機械も活きるんですよ」
その誤差、わずか、10分の1mm単位。
ものづくりの深遠な世界の最たる境地といってもいいだろう。
職人の相棒は道具ともいうが、株式会社其田においては、工作機械も、ノミやカンナと同じように、慈しむべき存在となっていた。
同社の技は、デジタルとの融合によって、真骨頂を発揮する。
しかも、その進化は、今この瞬間も、現在進行形であるという。
株式会社其田の木製家具製品の加工技術は、昨年度、「伝統が育んだいいわざ」として、川口i-wazaブランドに認定された
其田氏の愛用するノミやカンナの数は、それぞれ100を超えている。「ないものは自分で造る」そうで、指先ほどの小さなカンナも自らこしらえたものだという
株式会社其田にとっては、工作機械も大事な相棒。家具製造の際は、素材に合わせて刃を特注することから始めるそうで、メンテナンスや部品の発注もすべて自分たちで行っているそうだ
医療法人社団康幸会 かわぐち心臓呼吸器病院
川口市の救急医療を支える
循環器と呼吸器の急性期病院
理事長・院長 竹田 晋浩氏
川口市南前川1-1-51
TEL:048-264-5533
◆救急医療に特化した最先端設備
同院は、2015年11月に開院した埼玉県南エリア待望の急性期病院である。竹田晋浩院長は、日本の集中治療の研究を最前線でリードしてきた一人。「当院では、24時間365日救急を受け入れています。急患の状態をいち早く診断し、治療法を即座に決定します。心筋梗塞、狭心症、不正脈、大動脈解離など直ちに治療を必要とする病気に対し、すぐに治療ができるよう常時スタンバイ状態にしています」と話す。
治療にあたっては短い動線が考えられ、救急車から扉1枚で初療室に入り込むことが可能で、そこから直接カテーテル室や手術室に患者を搬送することが出来る。
また、専門性の高い技術はもちろんのこと、カテーテル治療と外科手術を同時に行うことができる最先端のハイブリッド手術室などの院内設備を充実させ、重症者に対応できる体制が整っている。治療後のリハビリテーション施設も完備していて、外来から急性期、そしてリハビリまですべての領域を治療出来る施設となっている。
◆最新低侵襲手術と大動脈センター
最近では、急性大動脈解離や大動脈破裂など、すぐに手術しなければならない症例が増えている。40~50歳代の大動脈解離の患者も少なくない。初療が大切となるため、同院では24時間対応しているドクターカーを配備しており、医師も一緒に患者のいる所へ駆けつけて、搬送中に診断や治療を進めることが出来る。
患者の負担が少なくなるよう、最新の低侵襲手術を導入しており、術後の早期回復を実現している。大動脈解離は幅広い医学的知識と経験が求められるが、国内有数の治療経験、豊富な手術実績を持つ医師がいるので心強い。同院は、開院2年目で、急性大動脈解離に対する人工血管置換術の症例数が全国6位となった。埼玉県南エリアにおける「大動脈センター」としての役割が確立しつつある。
◆注目の治療法、安心のための検診
下肢静脈瘤は、下肢静脈の弁に損傷や病変が生じると、血液の逆流により静脈圧が上昇して、血管に発生する瘤である。同院では、専門外来による高周波アブレーションカテーテルによる最新の治療が可能となっている。「足の血管が目立ってきた」、「足がすぐつる」等、少しでも気になる点があれば、まず外来受診を勧めている。
また、心臓病の早期診断・早期治療を目的とした心臓ドックを行っている。一般の健康診断や人間ドックでは、心臓病の初期段階を詳細に診断することが難しい。検査で異常が疑われる場合は、引き続き同院で専門検査、治療を行うことも出来る。
◆地域の要の病院として最後の砦として
「心臓、大動脈など胸部に症状のある救急対応は24時間無休で実践しているところが当院の大きな強みです。そして最も大切にしているのは、患者さんとの信頼関係です。高いレベルの医療を提供し、かつ患者本人や家族が望む状態にしてあげることを「最善」の医療と考え、スタッフ全員が日々全力で取り組んでいます」と竹田院長の思いは熱い。
また、公民館等からの依頼で昨年から取り組んでいる「いきいき健康講座」は、市民の予防知識向上を図るための地域貢献活動として行っており、同院医師、管理栄養士、理学療法士による講演を月に1~2回開催している。
「地域の方が重症になってもここなら安心して治療を受けられると思ってもらえる病院を目指しています。初療から術後の回復リハビリに至るまで、関わる職員全てがチームとなり、患者さんに尽くし寄り添うことが何より大切なことです」
地域医療への貢献を果たしながら、さらに日本を代表する病院を目指し、日々邁進している。
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