導入事例

シリーズ8 サービス業(保育園・幼稚園等)でのDX活用

保育園や幼稚園等、いわゆる就学前の乳幼児を預かる施設・法人は、子育て世代に当たる年齢層の保護者にとってはなくてはならない存在ですね。いま、その園向けに、現場の生産性を向上するためのソフトがいろいろと発売されています。

行政からの補助金で成り立っている園にとって、一クラスの乳幼児の定員上限や、保育士の人数下限があります。つまり、一般的な会社がとる生産性向上策である「売上向上、原価削減、販管費削減」が、園では対応不可なのです。

そこで、保育園・幼稚園等のDX活用では、「生産性向上=人手がかかっている作業を自動化する」「付加価値向上=空いた時間で、保育士が乳幼児や保護者とより向き合い、保育の質を高める」という2つの視点が重要になります。

保育園・幼稚園等の業務における問題点

  • 遅刻・欠席・お迎え等の連絡が特定の時間に集中し、その電話対応に人手がとられる
  • 一時保育・延長保育が発生し、料金の計算が面倒である
  • 紙のプリントが多すぎて、管理が行き届かない
  • 家庭向けの連絡帳を、保育士が手書きで書く負担が重い 等

これらの毎日の作業が、DX活用で負担が減るとしたらいかがでしょうか?これらのアナログ作業を解決できるソフトがあるのです。

*勤怠管理や業務連絡の省力化は、一般企業でも取り組むべき課題ですね。

(1)株式会社ビズウインド「ママれん!」シリーズ

無料から月額1万円までという大変安価な金額で、基本機能が使えます。

画像引用元:株式会社ビズウインド ママれん!シリーズ

メール・ノート機能では、いわゆる保育に関わる「園と保護者のやりとり」がすべてデジタルとなります。仕事で忙しい保護者が、自宅に帰らなくても、通勤帰りの電車の中等で「園からのお知らせ」を読めるのです。紙を失くすこともありません。延長保育の連絡も、電話を利用することなく、メールで簡単に発信できます。

シフト管理では、登園してくる乳幼児の人数に応じて、配置すべき職員の数を自動で割り出し、適切な職員の配置を自動化できます。

*このシフト管理は、来店客の予測人数にあわせて人員配置を組む飲食店等でも実施していますね。

(2)株式会社コドモン「CODMON(コドモン)」

園向けソフトではNo.1のシェアがあり、機能も充実しています。費用はある程度はかかりますが、人を採用した時の給与支給総額を考えれば、費用対効果は抜群です。

画像引用元:株式会社コドモン

メール連絡・文書やりとり等の基本機能はもちろん、たとえば「検温・感染症チェック」「写真販売」「バス運行管理」「給食献立管理」などの機能も充実しています。

たとえば「写真販売」では、運動会でカメラマンが撮影したたくさんの写真の中から、自分の子供の顔が映っているものだけを自動選別して、保護者が必要な写真だけをダウンロードさせることが可能です。その際に、1枚当たりの単価を設定しておけば、自動で申し込み金額の集計ができます。これは乳幼児の顔認証システムを導入しているため、写真の自動判別に応用できるのです。

さらに凄いのが「デジタル監査」の実現です!通常の園にとって、行政への報告や監査などは大変な負担になっています。それが、コドモンを利用すれば、「大量の紙書類をファイリングし、チェックをうける労力」から開放されるのです!

これはコドモンがいかに園の業務に寄り添い、信頼性の高い業務ソフトであるかの証明になりますね。

(3)園向けソフト導入には、IT導入補助金が使える!

園向けソフトは他にもいろいろあり、自社にとって必要な機能を十分に検討して選んでください。

また、都道府県や市区町村などの自治体の補助金や、国の補助金であるIT導入補助金が利用できますので、実質負担額を抑えることが可能です。

ぜひソフト導入を考えた際には、ソフト販売会社に「補助金を利用したい」と相談してみてください。

(4)現場のソフト利用には、研修が必要か?

20代~30代程度の保育士であれば、スマホやタブレット操作等のデジタル作業に慣れており、実際にソフトを触ってもらえれば問題なく対応できる場合がほとんどです。乳幼児が昼寝をしている間に「タブレットを利用して、日報を入力する」など、残業抑制に多大な効果があります。

また、比較的高齢の保育士であっても、ソフト販売会社からの研修やサポートで使えるようになります。

複雑で現場で使いこなせないものであれば自然と淘汰されてしまいますが、園ソフトは「保育士の負担を軽減できる」わかりやすい画面が特徴となっており、その点は安心です。

(5)最終目的は「保育士・経営者と乳幼児・保護者がハッピーになる」ことである

この少子高齢化の時代、子供を産み育てることには我が国の未来がかかっています。この負担を「保育」に関わる人たちだけにかけることなく、ぜひ社会全体で支えていきたいものです。

園向けソフトは、単なる「労力削減・生産性向上」だけにとどまらず、「保護者と園に時間的余裕が生まれることで、気持ちが穏やかになる」「コミュニケーションの質が向上する」というプラスの効果が高いのです。

業務に関わる全ての人の満足度向上につながり、その最大の効果として「乳幼児の笑顔・健康」がみんなの目に見えてきます。

* 企業のDX活用も、最終的には「従業員が前向きな業務にかける時間を増やし、仕事において人間的に成長する」「それにより、取引先とのコミュニケーションも円滑に進み、会社の業績も伸びていく」という流れにつながるはずです。

ぜひ、一般企業のみなさまも、この園ソフトの事例を読みながら、「自社の従業員や取引先の笑顔」を目標にしたDXへの取り組みを考えていただければ嬉しいです。

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