導入事例

シリーズ5 インターネット販促策でのDX活用(後編)

前回は、無料でスタートできる販促策を実施するための「前提条件」についてご一緒に考えました。皆さんの会社やお店では、前提条件は整っていましたでしょうか?

InstagramやFacebookなどのSNS(ソーシャルネットワークサービス)の活用方法を勉強しつつ、前提条件を整えているあいだは、ぜひSNS活用の「助走期間」としてみてください。今回はSNSの活用事例について、2回シリーズの後編としてお伝えします。

(1)まずは自分で体験してみる

今、オンラインサロンが活気づいています。オンラインサロンとは、「中心となる人物がWEB上でメンバーを集めて、自分の得意分野・専門分野の情報を発信し、コミュニケーションを深めていくグループ」「最終的には、主催者の商品を販売するなど、営利が発生する」ものです。月会費数千円をとる有料のもの、無料のものなど、いろいろあります。まさにSNSの有効活用策の一つです。

実は半年前に、ある事業者様から「自分は茶道・華道が得意で、和文化を中心としたオンラインサロンをやってみたい」と相談を受けました。私が「有料でやりたいのですか?」と聞いたら、「まだ決めていませんが、簡単に有料で出来る仕組みがあるんですか?」と質問されました。そしてその事業者さまは「普段からSNSは使っていなくて、オンラインサロンにも参加したことがない」とおっしゃるのでビックリしてしまいました・・・。

私はまず「他の方が主宰するオンラインサロンに参加してみて、どんな風に運営しているかを体験してみてはいかがでしょうか?」とアドバイスしました。

WEB上でグループメンバーを集めて、定期的に役に立つ情報を発信して、会員のみなさまが満足してくださり、商品を買ってくれる・・・そのためには「会員のみなさまにファンになってもらう」ことが何よりも大切で、知識や経験をひけらかして上から目線で教えるのはダメなのです。その事業者様はオンラインサロンに参加したことがなく、どんなやり方が成功しているか?の研究を、まったくしていなかったのです。

私の文章を読んでくださるみなさまには、ぜひ「お客様をファンにして、お客様と一緒に発展していく会社・お店づくり」を目指していただきたいのです。そのためには、まずはなんでも「自分が先に、顧客の立場で体験してみること」です。勉強期間・助走期間なしにいきなり挑戦して成功するような甘い世界は、どこにもありません。

(2)Facebookの活用方法

比較的年齢の高い人が文字を中心としたコミュニケーションをとる時には、Facebookを多く利用しています。Facebookは、①本名登録を前提としている、②居住地・友達等を公表している人もいることから、安心してコミュニケーションをとれるため、販売促進の場でも多く使われています。ターゲットを絞った販促(例:川口市在住で40歳以上の女性 等)に適しています。

たとえば、さきほどご紹介したオンラインサロンをFacebookグループで活用している方もたくさんいます。私が存じている埼玉県行田市のマンゴー栽培・販売の個人事業主の方は、「トロピカルフルーツを育てる」というサロンをFacebookで立ち上げました。無料で、誰でも参加できます。

運営しているのは60歳をこえたマンゴー農家のご夫婦です!もともとご主人はタブレットを持ち歩き、動画を撮影してはYouTubeにあげていました。ですがただアップしていただけではアクセス数が伸びず、ファンと語り合えるグループを立ち上げることになりました。

マンゴー農家からトロピカルフルーツを育てるアドバイスをもらえること、同士と楽しくお話できることにより、メンバーのみなさんはとても楽しそうです。

このグループは無料運営ですが、Facebookでは会費を払った会員のみ閲覧できる限定グループも作成できます。

(3)Instagramの活用方法

若年層の方を中心に、画像を中心として活用されているのがInstagramです。写真を有効活用し、消費者の視覚にアピールできます。

私は先日、知人から贈り物をいただいたのですが、その詰め合わせの中にお店のカードが入っていました。印刷されていたQRコードにスマホからアクセスしてみると、そのお店のInstagramサイトにジャンプしました!

そうすると、何ということでしょう!私が知人からもらったセットの画像がアップされていたのです!「埼玉県の方が、東京で製菓学校の講師をしている方へのギフトに選んだ」と書かれています!ちなみに、私は東京の製菓学校で「店舗経営」の授業を教えています。

私は思わず嬉しくなり、その投稿に「受けとった本人」としてコメントを書き込みました。そうするとお店からも返信が書き込まれたのです。初めてのお店なのに、QRコードが結んでくれたご縁でつながることができて、とても親近感がわきました。

このやりとりをみた人は、「このお店はお客様を大切にしているな」「安心してギフトを送れるな」と考えることでしょう。ただ美味しいだけではギフトには選ばれません。このように「美味しいものを丁寧に扱う、信頼できるお店」というアピールをすることが重要なのです。

(4)改めて、まず消費者としてSNSを使いこなそう

私自身の体験を2つ、FacebookとInstagramでお話しました。このように、自分自身がいろいろなサービスを体験しているからこそ、SNSの使い勝手やそのお店の店主の人柄などが手に取るようにわかるのです。これはみなさんも全く同じですよね。

「時代の流れに追いつくためにも、自分の店にSNSを無理やりでも入れなくては・・・」といって形だけを導入しても、「心がこもっていない」ことはすぐにお客様に伝わってしまうものです。

無料で使えるSNSはお客様とのコミュニケーションの場として非常に有効であり、FacebookやInstagram以外にも多くのSNSがあります。自店の狙うターゲットによく利用されているSNSを選び、そこで写真や文章をこまめに投稿することをどんどん実践していただきたいです。

そして、実運用の前に、安定したインターネット回線等の環境整備、お客様を主語にしたSNS運用の心構え準備を忘れずに!そして、手間をかけて、写真や文章を投稿することで、無料のSNSでも有料の広告宣にはできないような販売促進効果がでることを体感していってください!ファンとしてのお客様が増えていけば、自然と会社・お店にも活気が出てくることでしょう。

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