No.51 2001年9月号 Vol.334

江北荒川堤五色の桜

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現在の足立区江北の一帯は「荒川の五色桜」と呼ばれた桜の名所だった。「五色桜」とは、品種の名前ではなく、一般的なソメイヨシノのほかに、当時珍しかったヤエザクラなどの品種が混植されていたため、白や黄色、淡紅色や濃紅色などに彩られ、五色の雲がたなびく如く見えたところからこの名が付いたと言われている。

明治45年には、当時の東京市長、尾崎行雄が日米友好の証として12品種3000本の桜苗を首都ワシントンに贈った話は有名だが、このとき使われた桜がこの「五色桜」であった。ワシントンでは、この桜を主として市内のポトマック公園に植栽した。そののち、多くの人々の努力で世界的な桜の名所となっている。他方、本家の「荒川の五色桜」は堤防工事や公害の影響で、残念ながら衰退してしまった。

足立区ではこの由緒ある「五色桜」を復活させるため昭和56年、ポトマック公園の桜から枝を採取し、35品種3000本の「桜の里帰り」を実施した。

また、本年8月には「川口さくらクラブ(田中徳兵衛会長)」が設立され、桜の里親「桜守(さくらもり)」らが芝川沿いに様々な種類の桜を植栽して行き、河川環境の整備と新しい景勝地創造のための活動を始めている。

文:『里帰り桜のしおり』(足立区土木部公園課)、他
写真提供:五十嵐貞雄氏  明治~大正

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