オンラインマガジン 2018年8月 Vol.537

2018年8月 Vol.537

川口商工会議所 会員情報誌『move(むうぶ)』から一部を掲載しています。

特集

従業員を健康に!会社を元気に!

人材確保は健康経営®から

詳細はこちらからご覧くださいP4~5

今月の表紙

株式会社エプセム

元気を視覚化、する。

代表取締役 東 日出市さん
川口市南前川2-25-16
TEL:048-424-5959
http://www.epsem.co.jp
https://freuntek.co.jp/
認定制度開始から、ちょうど10年。
川口i-mono・i-wazaブランドは今、息づく伝統の中に
革新の芽を育(はぐく)みながら、新たな時代を迎えんとしている。
そうした意味では、今月号の表紙の企業は、
ある種のエポックメーカーといえるのかもしれない。
昨年度、“製品”を対象とする川口i-monoブランドに、
初めて“システム”が認定された。
発電監視システム「SiMaS〈サイマス〉」。
このシステムの担い手こそが、株式会社エプセムなのだ。
代表を務める東日出市氏は、IT(情報技術)のプログラマー。
SiMaSの開発は、そもそもにして、自社の所有する
太陽光発電所を管理することが目的であった。

「弊社の発電所は、父の実家の牧場跡地に建設したもので、
たたみ一畳ほどの
太陽光パネルが約9000枚、敷き詰められています。
でも、9000枚ものパネルがすべてちゃんと稼働しているかなんて、
一体どうやって確かめればいいんだろう?
この疑問がSiMaS開発の出発点になりました」

SiMaSの最大の特長は、電気に詳しくない者であっても、
そのときそのときの発電状況が“ひと目でわかる”点にある。
まずは、発電所の全体像を縮小して図面化する。
そして、パネルの発電量を色の違いで表示する。
しかも、そのデータは1分ごとに更新されて、
パソコンやスマートフォンなどで、いつでも・どこでもチェックできる。
すなわち、SiMaSは日本で初めての
“目で見てわかる”発電監視システムなのだ。

「発電量の計測自体は目新しいことではありません。
でも、従来の計測器だと、ただの数値の羅列で、
面白みに欠けるんです。同じデータを見るにしても、
もっと楽しく、わかりやすくしたかった。
だから、色と形で視覚化してみようと思ったんです」

太陽光発電所は、大概、人里離れた山地にある。
ゆえ、頻繁に点検に赴くことは、決して容易なことではない。
SiMaSがトラブル察知に有益なのはいうまでもないが、
東氏いわく、それ以外にも思わぬメリットが見えてきたそうだ。

「すごく細かくデータが取れるので、
発電効率のいい時間帯が午前中だということがわかりました。
だから、弊社の発電所のパネルは、やや東向きに設計します」

それは、再生可能エネルギーが注目される昨今にあって、
今後の太陽光発電所の建設にも役立つデータではなかろうか。

日本の電力の未来を照らす。

i-monoブランド発信の“システム”には、
そんな期待も寄せられているのだ。

 

株式会社office3.11

世界13億トンの食品ロス削減を目指す
食品ロス問題の専門家

代表取締役 井出 留美氏
川口市幸町2-17-1-1111
TEL:090-6106-7773
営業時間:9:00~17:00
定休日:土・日・祝
 
 食品ロスは誰もが関わる問題である。4人世帯で年間6万円分のロスという試算もある。
著書『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎新書)は、食品をめぐる多くの「もったいない」構造に初めてメスを入れ、大きなインパクトを与えた。著者で、食品ロス問題専門家として様々なフィールドで活躍する株式会社office3.11 井出留美社長に話を聞いた。

◆きっかけは「3.11」

 井出氏は、外資系食品メーカーに約14年勤務し、広報や栄養関連業務に携わってきた。
2011年3月の東日本大震災の際、社長から支援物資を被災地に届けるよう指示を受けた。現地に到着したところ、様々な理由により、必要とされるところに支援物資が届かず放置され、最終的に大量に廃棄されるといった現状を目の当たりにし、大きな憤りを感じた。
 食品に関する大きな問題を解決したいという強い思いから独立を決意、自身の誕生日を冠した同社を設立し、食品問題のジャーナリストとなった。当初、テレビ取材やコラムを寄せるなど活動をしていたが、在職中に関わりがあった食料支援活動団体から声がかかり、広報を担当することになった。現在、国内に80団体ほどあるフードバンク※の草分け的団体で、中心メンバーとして活動を行うとともに、食料問題に関するネットワークを構築していった。

※フードバンク:包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体。

◆チームでの取り組み「フードドライブ」

 2015年から、川口市内の食品関係者・市議会議員・行政職員等の有志からなる「食品ロス削減検討チーム川口」を立ち上げ、活動している。月1回の定例会では、食品問題に関する啓発を図る議論を行っていて、これまで38回延べ466人が参加した。
 また、チームでは、食品ロスを減らして活用する「フードドライブ=食べ物の回収事業」を行っている。家庭で余っている、賞味期限が1ヶ月以上ある食品(未開封・常温保存)を持ち寄ってもらい回収し、子どもたちの学習支援施設等へ提供している。「フードドライブ」はスタートから3年間で、1トン以上の余剰食品を「必要とされるところ」に繋ぎ、食品ロスを減らしてきた。
 賞味期限や消費期限と合わせて、様々な商習慣によって、食品ロスが発生することもある。海外を見ると、イギリスでは18ヶ月以上の日持ちする食品(乾麺やレトルト食品等)は年月表示のみで良いとされている。消費者意識に与える影響が大きいため、啓発・呼びかけが特に必要な部分だといえる。

◆「川口市は全国1位を目指せます」

 井出氏は2017年から川口市の廃棄物対策審議会委員を務めている。「実は、川口市は1人1日当たりのごみ排出量の少なさが全国で5位です(※グラフ参照)。「ごみを1日何グラム減らそう」という考えはもちろん基本ですが、「全国1位を目指そう!」というわかりやすいメッセージも良いのかなと思います」と話す。
 外食の場合、量が一律なので小食の人は食べきれないことがあるが、小盛りサイズがあれば食べ残しは減らせる。お店にとっても廃棄コストは無視できない。全国の自治体では、外食時の「おいしい食べきり」として様々な取り組みを推進している。川口市では、食べ残しを減らすため、宴会最後の15分を『食べきりタイム』とすることを呼びかけている。

◆ジャーナリストとして多様な人たちを繋ぐ

 今年3月に、食品ロス問題を全国的に注目されるレベルにまで引き上げたとして、第2回食生活ジャーナリスト大賞「食文化部門」を受賞した。
「活動を多くの人に認めてもらえたことなので、受賞はとても嬉しかったです。自分の目で見て、耳で聞いて、書いて発信する食品ロス問題のジャーナリストとして、社会に貢献していこうという気持ちが一層強くなりました」
 また、「私は、非常勤で大学の教壇に立っていたのですが、先日、卒業した学生からメールが届きました。私の授業がきっかけで食品問題に関心を持ち、教員採用試験に合格したという報告と御礼でした。食品問題に積極的に取り組んでくれる若い人が出てきている、次世代との繋がりが生まれていることが、とても嬉しく、心強く感じました。企業だけ、大学だけの限られたグループでは難しくても、多様な人たちが繋がることで、問題の共有が図られ、解決に向け進展していけるものだと思います」とも話す。
 食品ロスを自分の問題として捉え、井出氏の信念に基づく様々な活動を、応援していきたい。

 

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