オンラインマガジン 2018年5月 Vol.534

2018年5月 Vol.534

川口商工会議所 会員情報誌『move(むうぶ)』から一部を掲載しています。

特集

地域のチカラを掘り起こす

―魅力ある商店街・小売店のヒケツ―

―詳細はこちらからご覧くださいP3~5-

今月の表紙

ACS株式会社

あらたな価値とは、あらたな気づき。

代表取締役 魚本泰良さん
川口市前川2-51-14
TEL:048-486-9896
http://acs-1980.com/
素材の断面に傾斜をつけるために、
刃を傾けて、斜(なな)めに切る。
例えばこれが包丁さばきで、調理の過程というのであれば、
よくある光景のひとつに過ぎない。
しかし、とある機械の歴史においては、
画期的な技術であった。世界初の「斜め振動カット機能(ACC機能)」を
備えた「マルチカッティングマシン ASシリーズ」。今、川口発のこの製品に、
あらゆるものづくりの担い手たちが大きな期待を寄せている。
生産元は、市内前川にあるACS株式会社。
約40年ものキャリアを誇る技術者、魚本泰良氏の手で
2009年に設立された、産業用カッティングマシンの
自社開発メーカーだ。そもそもにして、カッティングマシン(カッティングプロッタ)とは、
一体どのような機械なのだろうか。
端的にいうと、データで入力したデザイン(展開図)に沿って、
段ボールや梱包材、看板ディスプレイの業界などが、
主たる顧客となっている。では、なぜ“斜めに切れる”ことが、かくも注目されるのであろう。
魚本氏によると、従来型は、刃の角度が変えられないため、
垂直に切ることしかできなかった。「でも、機械の部品や梱包を要する大概のものは、曲線に満ちているんですよ。
だから、斜めに切ったものの方が、ぴったりとフィットする。
また、紙類も、厚手の場合は、切れ目を斜めにしておかないと、
うまく組み立てることができないんですね」しかも、ASシリーズは、その名の通り、
“マルチ”な素材の“カット”ができる。
段ボールはもとより、発泡材やアクリル板、スポンジなどの加工にも
一台で対応ができる上に、小ロット生産も可能とあって、
新製品が続々と登場する昨今においては、極めて理想的なカッティング
マシンといえるのだ。「近年では、断熱材や車のシート、マットレスの中材といった、これまでには
なかった業界からの受注もうけるようになりました。お客さまの発想が
ASシリーズの可能性をさらに広げてくれているんです」それは、産業界のカッティングマシンに対する
新たな価値観の萌芽といえよう。
新風を巻き起こしたACS者の売上実績は、設立わずか10年足らずで、
すでに国内トップを記録(2016年9月~2017年8月)。
今や海外でも販売台数を伸ばしているという「マルチカッティングマシン
ASシリーズ」は、昨年度、「ビジネスを広げるいいもの」として、
川口i-monoブランドに認定された。
 実は、“斜めカット”の技術は、産業用のロボットにおいて、かなり前から実用化されていた。しかし、カッティングマシンの場合は、構造上、搭載することが非常に困難とされており、それゆえ、ASシリーズの「斜め振動カット機能(ACC機能)」は、極めて画期的であった。
ACS社の最大の強みは、なんといっても、開発力。カッティングマシンの黎明(れいめい)期から開発に携わる魚本代表のノウハウに加え、全従業員の約4分の1が開発担当の技術者であるという。

 

株式会社ジェイ・ピートレーディング

バイクのあらゆる可能性を追求し、

バイクだからできる社会貢献をしていきたい

代表取締役 五十嵐 隆博 氏
川口市西新井宿911-1
TEL:048-280-0007http://jptrading.asia/
 

 バイク業界の新車販売台数は年々減少しているが、愛好者は複数台所有する傾向があり、「登録台数」としては極端に減少していない。また、途上国では四輪自動車よりもバイクの需要が高く、特に日本製バイクは高いブランド力を持っている。一般に言われる「バイク離れ」といった前向きでないイメージだけで語ることはできない、様々なチャンスがある業界であるといえる。

今回は市内でバイク販売・メンテナンスショップを営業し、30年近くバイク業界に携わっている㈱ジェイ・ピートレーディング 五十嵐隆博社長に同社の取組について話をうかがった。

有事に強いバイクの有効性
1992年に個人事業として創業した当初は中古四輪自動車の販売から スタートした。徐々に元々好きだったバイクを中心に取り扱うようになり、 現在は販売だけでなくバイクの普及に積極的に取り組んでいる。きっかけとなったのは2011年3月の東日本大震災で、何かできることは無いかと同業の仲間と一緒にガソリン満タンの原付バイクを被災地に無償貸し出しすることを思い立ち、1カ月半の間に200台のバイクを送った。小回りが利くため移動や輸送の手段としてとても重宝され、ホンダのカブは1ℓのガソリンで100Km走行ができシガーソケットを装備すれば携帯電話の充電機能も果たすため、有事の際のバイクの有効性を実感した。以来、平時からバイクを保有することが災害に対する一定の備えになるという理念に基づいて啓発を行っている。また、この縁により宮城県栗原市と災害時原付バイク50台を無償で貸し出す支援協定を締結した。

◆バイク業界初 メンテナンス付リース
新たな取り組みとして2014年にスタートしたバイクのメンテナンス付リースは業界初のサービスである。事業用の原付バイクは走行距離が年間2~3万㎞になることもあり消耗が激しいにもかかわらず、バイクのメンテナンスに対するユーザーの意識は四輪自動車と比較すると低い面がある。大量のバイクを保有している企業は定期的なメンテナンスができていない状況があったため、メンテナンス付リースを提案したところ、安心してバイクを利用することができるようになったと好評を得た。日常的なメンテナンスはユーザーの安全運転への意識にも繋がっている。金融機関や警備会社などから大口の契約も受注した。また、広いエリアの多くの台数に対応できるよう一般社団法人日本二輪自動車推進協会(JAMPA)を設立し、関東圏の整備業者25社と指定工場契約を結びサービスを提供している。料金は使用頻度や走行距離によって異なるが、一般的なユーザーであれば原付バイクの3年メンテナンス付リースが月々9,800円~となっている。このサービスを中軸にした当社の事業計画は埼玉県経営革新計画の承認を受けた。

◆海外での社会貢献

同社は海外へのバイク等の輸出入も行っている。取引を行うなかで海外の様々な情報が耳に入るようになり、バイクタクシーが主流である東南アジアでは、1台のバイクがあれば貧困層の経済的自立に繋がることを知る。国際貢献を果たしたいという思いから一定期間リースしたバイクをフィリピンやカンボジアに送り出している。契約者もリース後に途上国に輸出し活用されることを知ると状態を維持するためバイクを大切に扱うようになるという。また、送り出したバイクの整備を現地の整備工場に依頼し整備士に指導を行うことで、雇用を創出するとともに技術移転に貢献している。

◆今後の展望

今後の課題はバイクを整備できる環境の充実と人材育成である。依頼にスピーディに対応できるよう指定工場を増やし、ネットワークを拡大していく。また、外国人技能実習生を6月から受け入れることになっている。指導を通じた技術・情報の共有が両者の信頼関係を強くし、双方の発展に繋がると考えている。

「モノの売買だけだった商売が、震災をきっかけに大きく変わりました。バイクが有効活用されて、バイクを買ってもらって喜ばれる、これまでで一番嬉しかった経験です。理念に共感・賛同してくれる仲間もできました。これからもあらゆる形でバイクを普及していきたいです」

社会貢献を通じた業界、途上国の発展という大きな夢に向かって、五十嵐社長は日々奔走している。

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