オンラインマガジン 2018年3月 Vol.532

2018年3月 Vol.532

川口商工会議所 会員情報誌『move(むうぶ)』から一部を掲載しています。

特集

平成30年度税制改正「事業承継税制」

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今月の表紙

株式会社工藤鉄工所

次世代への継承、革新と挑戦

取締役 工藤英樹さん
川口市東領家5-4-10
TEL:048-271-9110
http://www.kudo-ace.co.jp/
「紙揃(そろ)え機」という機械をご存知だろうか。
製本時、まずは印刷がなされた大きな紙を仕上り寸法にカット(断裁)する。
その前段階に用いられるのが、この読んで字の如しの
“紙を揃える機械”なのだが、「ただそれだけ?」とあなどることなかれ。
出版に要する紙の量は、枚数も重さも半端ではない。
かつて製本業者は何十kg、何百kgにも及ぶ大量の紙を
手作業で揃えて、断裁機にかけていた。
紙揃え機は、その計り知れない労力の軽減に加え、
より美しい本をつくる上で、欠かせない存在となっている。
そして、1954年、この画期的な機械を
日本で初めて産み出したのが、
株式会社工藤鉄工所。
同製品、および複数の印刷製本関連機械で国内トップシェアを誇る、
業界内ではその名を知られた老舗のブランドメーカーだ。「弊社の創業は1907年。以来、常に新しい技術や製品の開発に努め、
110年を駆け抜けてきました」と話すのは、
2年前に転職してきた工藤英樹取締役。
後継者となるべく現在、修行を積んでいるという、6代目代表の卵である。その言葉の通り、工藤鉄工所の歴史は、
努力と挑戦の日々であったといえよう。
作業の軽減・効率化を叶える同社の製品はいつの時代も先駆的で、
現場に歓迎され続けてきた。たゆまぬ研鑽の甲斐もあって、KUDOの名前は、ブランドとして、
徐々に定着していった。さらには、それを守ることが需要となって、
会社の誇りにもなっていった。「でも、昨今の出版不況で、弊社は、今、
かつてない局面に差しかかっている状態です。この岐路で、
僕たちは、守りでなく攻めに転じ、新たな道を
模索する方向に進むことを決意しました」経営革新。若き後継者が選んだ道は、荊の道となるかもしれない。
工藤取締役は、経営は未経験な上、業界に身を置いてからの日が浅い。これまでは強みであった社内に根付く気風や慣習にも、 変化を求めなくてはならないような、老舗がゆえの葛藤もあるだろう。
しかし、それでも、期待せずにはいられない。なぜなら、同社は、飽くなき挑戦と創造によって、 100年企業となったのだから。
「革新」こそがKUDOの伝統、
その真髄であるのだから……。

 

 

富士測地株式会社

ドローンを活用して地域に貢献「今日を測り、明日を築く」

代表取締役 及川 修 氏
川口市前川3-52-10
TEL:048-265-3345http://survey.e-const.jp/
安心・安全・快適なまちづくりのため、測り続けて40年
表面的には見えないけれども、必要不可欠な技術というのは、どこの世界にもあるものだ。今回は、まさしくそんな「縁の下の力持ち」として、川口市内外の建設事業や都市計画を支え続けている測量会社、富士測地(株)を紹介する。創業約40年の同社を一代で築き上げた代表であり測量士でもある、及川修氏にお話をうかがった。
激動の時代のなかで培われてきた、高い技術と厚い信頼
「弊社の設立は、1979年。縁あって、川口の前川の地に根を下ろすこととなったのですが、私の名前にも『川』が付くでしょう? だから、社名は『山』にしようと思って。だったら、いちばん高い山を目指そうと、『富士』測地と命名しました」
なんとも地形のプロらしい発想で社名の由来を話してくれた及川氏であるが、その志は高校時代からすでに定まっていたという。岩手県に生まれ育ち、測量の資格を取得するため、上京して進学した及川氏。卒業後は、同じく東京にある大手測量会社に就職し、北は北海道から南は鹿児島まで、全国各地のさまざまな土地を測り回っていたそうだ。
「独立して、ここ川口に会社を立ち上げたのは、ちょうどオイルショックのころでした。その後も、バブルやバブル崩壊、リーマンショックなど、好況・不況の波は激しかったけれども、幸い、弊社の受注元は、主として公共事業なものですから。減ることはあっても、なくなることはないという仕事の特性と社員たちのがんばりによって、なんとかここまでやってくることができました」
激動の時代を生き抜いてきた実力は生半可なものではない。富士測地(株)の測量技術は、川口市はもちろんのこと、埼玉県からも高い評価を受けており、現在は、本社(川口市)のほか、計4箇所の営業所が県の内外に開設されている(さいたま市、戸田市、八潮市、岩手県奥州市)。

■ドローンを活用した新事業で、地域にさらなる貢献を
富士測地(株)は、また、地域貢献事業者としても期待が寄せられている企業のひとつである。とりわけ熱い視線を浴びているのは、小型無人飛行機ドローンを用いた、新事業の展開だ。
というのも、同社では、数年前から、それまでは困難とされていたGPS(人工衛星を利用した位置情報計測システム)が届かない場所でもドローンの飛行を可能とする技術の開発に参画しており、2016年には特許を取得。しかも、そのノウハウを、測量のみならず、災害時の被害調査に役立ててもらおうと、昨年末には川口市と正式な協定を結ぶに至ったのだ。
最新鋭かつ独自の技術を有することは何ものにも代えがたい強みかと思いきや、「これは次代に向けた入口に過ぎない」と及川氏は笑顔で言う。
「どこの業界もそうでしょうが、測量技術も日進月歩。ドローンはすでに目新しいものではないですし、今後ますます産業利用が進むでしょう。私は、ドローンをひとつの“きっかけ”として、地域や市民のみなさんとのつながりをより強いものへとしていきたいと考えています」
地元町会にも深く携わっている及川氏は、「測量とは別の形でも、彼らの将来に役立つかもしれないから」と、地域の子どもたちがドローンに触れられる機会を折に触れて設けているそうだ。
「今日を測り、明日を築く」。富士測地(株)の経営理念は、建設土木の現場だけではなく、地域やそこに住まう人々の未来の礎をも築きうるものなのかもしれない。

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